福井県南西部のあおい町名田庄は、人口約3,000人で、しかも65歳以上の人の割合が約30%という高齢化の進んだ小さな町です。
そこで、唯一の診療所である「名田庄診療所」では、2007年11月にドクターボードを導入しました。それでは、所長の中村伸一氏の感想を紹介します。
中村医師によると、手書きのカルテを一枚一枚見てみると、その行間から、毎回の診察の重みが読み取れるそうです。しかし、キーボードによって入力した、電子カルテのテキスト文字では、その深いニュアンスやその時の心情が伝わってきません。何よりも、カルテを見た時の直感が沸かないことが不満だったそうです。紙カルテには、医師それぞれの長い経験によって生み出された、独自の記入の仕方があり、診療の流れや重要な点が、すぐにわかるように表現されています。
ドクターボードの最大のポイントは、多くの医師が使ってきた2号書式のカルテ用紙を、そのまま画面上に再現されていることと、電子ペンを使用して手書きで入力できることです。さらに、過去のカルテを、4分割や9分割で画面に一覧表示できます。また、赤色や青色の文字で強調したり、フリーハンドで図を描いたりできるので、紙カルテをめくるのと同じように、過去のカルテを一覧で見ることができます。
診療室では、中村医師が、患者さんと目を合わせて話しながらも、スムーズにカルテへの記載も進みます。スケッチを描いたり、検査結果や画像などを貼り付けたり、処置や投薬のオーダーをしたり、リアルタイムで作業をこなしていきます。時には、画面上に描かれたスケッチや、貼り付けられた画像を、患者さんが見やすいように拡大して、患部に印を付けたり、動画を流したりしながら、わかりやすく説明を加えています。
ドクターボードは、誰もが使いやすい2号書式を使用しているので、スタッフの全員が、すぐに使いこなせるようになり、業務が効率的に進むようになったそうです。